愛知県
▲魔女の口
「魔女の口」の後ろにある一対の高木は“ブラシノキ”。設計士のもつイメージに合う樹種を提案した。おどろおどろしさのある樹形にこだわったブラシノキが魔女の不気味な雰囲気を一層引き立てる。
▲エントランス周辺
グラス類を中心とした植栽が軽やかに風になびき涼しげな印象。植栽の濃淡や高低に抑揚をつけて植栽することで奥行き感を与えた。
▲レストラン棟(空飛ぶオーブン)屋上広場
ハーブの香りや色とりどりのカラーリーフが楽しめる空間とした。
▲噴水広場
作品の世界観に合わせた西洋庭園風の広場。『ハウルの動く城』に登場する魔法陣をモデルとした噴水を囲う植栽は、シンメトリックな植え方とした。
▲ハッタ―帽子店
「ハッター帽子店」の前は解放感のある芝生メインの植栽帯。“アメリカフウ”や“モミジバスズカケノキ”といった欧米原産の樹種が異国感を演出する。
▲魔女の家
宮崎吾朗監督作品の映画『アーヤと魔女』では、お庭の植物の種類まで細かく設定されており、作品中で実際に描かれた植物も数多く植栽されている。
「魔女の家」の裏に設けられた小道は、隣接する山とつながったような緑豊かな空間となった。
魔女の家の周りの石積みは、イギリスの伝統的な石積み工法の“ドライストーンウォーリング”で設えられた。モルタルなどの接着剤を使用しない空積み工法で、石の面同士がかみ合うように積まれている為、とても頑丈に積まれている。
▲ハウルの城
映画『ハウルの動く城』に登場する荒地をイメージして、あえて裸地部分を残したり、ひとりでに生えてきた雑草をある程度残すことで荒地の雰囲気を演出した。
風雨で土が流れて、埋まっていた石が地表に露出してきた様子を割栗石を用いて演出した。
築山に設けた飛石の園路は安全面に考慮しつつ、周囲の景観と馴染ませるため単調にならないよう配石した。現場内で発生した大きい石は景石として再利用することで、荒れ地の主役のひとつとなった。
▲オキノ邸
最も植栽方法にこだわった場所の1つで、庭園には500種類以上の植物を植栽している。
普段あまり扱わない珍しい園芸品種が数多く設計に採用されており、入手が困難な品種や、生産が終了している品種も多く、植物の調達が課題であった。海外から取り寄せたり、性質の似た植物を代替案として提案させていただくなど、設計士とコミュニケーションをとりながら植物を調達した。
鉄平石の飛石を据えて、庭園の中を散策できる園路を創出した。お花や水路のそばまで近づけるため、お花の香りや水の音も含めて楽しめる庭園になっている。
▲5月の様子
▲11月の様子
メンテナンスの中で季節ごとに一年草の植え替えを実施している。お花や紅葉などの見ごろが次々に移り変わるため、訪れる度に違った景色を楽しむことができる。
園路で区切られた植栽帯ごとにカラーテーマが決められており、そのテーマに沿った色の花を咲かせる植物やカラーリーフを植栽している。場所ごとに違った表情がみられるため、ぜひ植栽帯の中の園路を歩いて楽しんでもらいたい。
【担当者よりコメント】
魔女の谷は、複数のスタジオジブリ作品をテーマにした建物が集まった空間になっているため、表現したい世界観ごとに植物の種類や配植の仕方を変えながら植栽する必要があった。
建物ごとにその作品の特徴を出しつつ、周りの山並みの景色を取り込みながら全体的にまとまりのある魔女の谷の植栽を完成させることができた。
植栽の四季折々の変化によって魔女の谷全体の雰囲気も移り変わるため、ぜひ色々な時期の魔女の谷の景色を楽しんでいただきたい。